さっと掃除する習慣をつくる 小帚「スルトル」

さっと掃除する習慣をつくる 小帚「スルトル」

質の良いほうきは、一度購入すれば十年以上使うことができます。広徳ほうき工芸社のほうきは、製造に使うほとんどの素材が自然由来で、現在はひとりの職人が全ての工程を作っています。手の届くところに置いておき、さっと掃除する習慣を作りましょう。

店頭でも実際に使用している掃除道具


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ソウル店で紹介しているほうき「スルトル(スル=掃く、トル=毛、の造語)」はコンパクトなサイズで、伝統的なほうきと同様に葦で作られたものです。テーブルの上や狭いところのホコリを掃除するのに便利で、日常生活の中でこまやかに活躍します。

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D&DEPARTMENTソウル店でも、スタッフは日常的に店内清掃の際にスルトルを愛用しています。見落としがちな隅っこのホコリや、デスク上の消しゴムのかすを片付けるときに便利なのでレジカウンターに近く、すぐ手に届く場所に置いています。販売中のスルトルは店頭ではギフトとして、引っ越し祝いや、新しいお店をオープンする方へのプレゼントとしても人気があります。



韓国で唯一のほうき職人が作る


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忠清北道・堤川の広徳ほうき工芸社は、現在韓国に残っている唯一のほうき職人であるイ・ドンギュンさんが運営する工房です。1980年代まで好景気だった手工芸のほうきの産業は、安価なナイロン製のほうきと掃除機の普及などで需要が急減しました。ほうき産業に限界を感じた生産者が消えていく中、イ・ドンギュンさんは昔ながらの、葦を結んで作るほうきが持つ工芸的価値に目を向けました。現代の生活に合うような日常的に使いやすい小物の開発で、ほうきの存続と継承を考え、今まで一人でその命脈を繋いできました。

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ほうきに使われる素材は、一年で最も暑い時期である7-8月頃、忠清北道・堤川一帯の川辺や小川で葦が生え始める時期に手作業で収穫します。その時期を逃すと、葦に茎が出始め折れやすく、素材としては丈夫でなくなってしまうため良いほうきが作れないそうです。夏に収穫した葦を使い、秋と冬の2シーズンの間にほうきを製作します。作れる量はほうきの大きさによって異なってきますが、平均して約500本程度になるそうです。1日当たりで考えると、スルトルの場合、約20本程度を作ることができますが、大きくて細かいデザインのほうきにはより熟練した技術が必要で、作れるのは一日に2本程度だということです。


職人が葦の栽培から、収穫、乾燥、選別、材料の保管、手で丁寧に煮込んで結び仕上げる工程まで、すべてを手掛け50年以上作り続けているこのスルトルは、絶えることの無いように応援したいプロダクトのひとつでもあります。

丁寧に作られた道具で、丁寧に掃除する

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天然素材であることでインテリアの中に置かれても主張が強くはありません。ひもが付いているので、保管時は吊るしておくことができ、丸い柄のシュッとしたシルエットなので、ぶら下げた際もコンパクトに収まります。持ち手は黒とグレーの2色で、長さ26.5cmの大きいサイズと、一回り小さい23cmの2サイズを取り扱っています。


昔から私たちの生活に馴染みのある生活道具であるほうき。日々の空間も、特別な空間も、丁寧に掃除すると空気もきれいになるようで気分が良くなりますね。シンプルでインテリアにも馴染むデザインは身近に置いておきやすく、電気も使わないほうきは、掃除のハードルをさげてくれます。気軽にさっと掃くことを習慣にして身の回りを整えましょう。